「デザインジャーナリスト山本雅也の仕事」展
日本のデザインジャーナリストとして悩み続け駆け抜けた男 山本雅也さんは、まがったことが嫌いで、まるで仮面ライダーのような正義の味方でした。数多くのデザイナーにインタビューをおこない、その文章を雑誌に発表してきた仕事は、批判精神あふれ社会に向けてデザインの姿勢を問う内容でした。入念な準備と試行錯誤を繰り返した切れ味鋭い文章は、時に誤解を生みながらも熱烈な読者と多くのデザイナーから強い信頼を得ていました。そのまっすぐな性格は、時には日本の出版界やデザイン界あるいは日本社会そのものと衝突し、つらい想いをしてきたのかもしれません。
昨年2008年12月7日に、突然みんなの前からいなくなった山本雅也さんの文章を一堂に持ちより、集め、読み直し、彼が伝えたかったことを、考える場をもちたいと思います。この機会に、デザインについて、ジャーナリズムについて、日本の社会についていっしょに考えてみませんか。
山本雅也/デザインジャーナリスト
1961年生まれ。立教大学経済学部卒。写植システムメーカー・写研・宣伝部の仕事を通して、グラフィックデザイナーにインタビューし、デザインの面白さに触れる。そのため、デザイン書籍専門出版社・六耀社の編集部へ転職。その後、月刊デザイン誌「FP」(学習研究社)副編集長を経て、93年よりフリーランス。2002年、日本におけるジャーナリストとしての立ち位置に悩み、41歳でアメリカ・ミズーリ大学コロンビア校ジャーナリズムコースに留学。帰国後は、「デザインジャーナリストは、デザインそのものを語るのではなく、デザインを通して社会現象を語るべき」という独自の信念で活動再開。執筆のみならず、各種講演やデザインイベント司会、「Design Channel」(テレビ東京)コメンテーター、桑沢デザイン塾(桑沢デザイン研究所同窓会)講師、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科非常勤講師など、活動の範囲を拡げる。著書に「インハウスデザイナーは蔑称か」(2005年刊 ラトルズ)2008年12月7日没。
● 会期
2009年1月14日(水)-2月9日(月)12:00-17:00 /火曜日休み
●会場
国立本店
東京都国立市中1-7-62
042-575-9428
http://honten.chub.jp
●主催
「デザインジャーナリスト山本雅也の仕事」展 実行委員会
●企画
萩原修、小泉誠、萩原百合
● 協力
中央線デザイン倶楽部,国立本店,こいずみ道具店,和久倫也,古田陽子,内田みえ,紫牟田伸子,川口真沙美,ナガオカケンメイ,新川博己,只井信子,伊藤進吾,酒井俊彦,吉川友紀子,中村友子,上島明子,粕谷姫中,岡崎泰之,寺田尚樹,笠置秀紀,宮口明子,林裕輔,安西葉子,三浦秀彦,梶本博司,小池雅久,斉藤義幸,五十嵐久枝,米谷ひろし,増子由美,君塚賢,早川貴章,山崎宏,山下浩平,黒田庸夫,山口信博,山口諭,日野明子,下川一哉,青野尚子,中林鉄太郎,平野佐和,西山浩平,ほか
「山本雅也さんを想う会」
昨年2008年12月7日に亡くなった山本雅也さんを想う会を、縁のあった人で集まりこじんまり開きます。お酒が飲めなかった山本雅也さんですが、みんなで少しお酒でも飲みながら、それぞれが山本雅也さんについて語り、想いを共有できる場にしたいと思います。どうぞ、普段の服装でお集まりください。
●日時
2009年1月16日(金)18:00-20-00
●会場
国立本店
●お問い合わせは、萩原修 sahouse@parkcity.ne.jp