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パリからの朝一便で羽田に早朝着で無事帰国。羽田空港から深夜早朝の発着が可能になったために時間のロスが無くなり、到着後すぐに仕事ができて気分的に快適です。羽田空港から事務所に帰る途中、某雑誌の取材準備の為に国立代々木競技場に寄り道。この建物は1960から計画開始で1964年のオリンピックに合わせて竣工。建築家の丹下健三さんと構造家の坪井善勝さんによる吊り構造の建物で美しいコンクリートの表情が特徴。そしてなによりもランドスケープが秀逸で日本独特の「際」のデザインをヒューマンスケールで徹底的に行っている。数日前にfirminyで見たコルビジェの青少年と文化の家(1959年)も天井が吊り構造+コンクリート。そしてラ・トゥーレット修道院(1953年)でもコンクリートならではの造形を多用。ピロティー部分の処理では国立代々木競技場と印象の近い造形も見られた。1950年代後半にフライ・オットーが吊り構造についての研究を発表して以来、吊り構造は当時の最先端技術で、その先端技術に挑戦している東西の建築家の姿を半世紀後にほぼ同時に体感する事が出来ました。ちなみに、firminyのコルビジェの家具デザインはシャルロット・ペリアン。国立代々木競技場の家具デザインは剣持デザイン事務所で、家具デザイナーの役目がきちんとしていた良い時代です。