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10日から金沢に入りようやく戻ってきました。金沢での「作る力」の会場設営もかなりタイトなスケジュールではありましたが、スタッフの段取りと武蔵美小泉ゼミの活躍のおかげで無事に出来上がりました。この展覧会は「生活工芸」というカテゴリーを銘打つ事で、日常の生活道具への意識を見直そうという工芸の街金沢ならではの活動です。今回選ばれた10名のうち6名が個人作家、4組がデザイン系。作家とデザイナーとの大きな違いは、作家の形はモノが出来上がる瞬間に立ち会い素材と対話しながら作ることが出来、デザインの現場では作る瞬間に立ち会えないものの、生産/販売/デザインというチームとして出来上がる形ががあり視点の違うモノの力があるようです。どちらにしても今回のメンバーのように、ものづくりへの確固たる信念と執念があってこそ「作る力」になるんだなと確信できました。我々の会場構成は参加者の道具を石村由起子さんがスタイリングする住居的空間と、10名の作家が各自の個性を出せる環境づくり。住居的空間では段ボール箱を利用。再生紙を使った段ボールは或る意味「古道具」でスタイリングで使う道具と馴染みます。作家ブースは発泡スチロール。真っ白な素材で作家の個性を際立てながら各作家の距離をプログラムしています。どちらの素材もショートサイクルで利用できる素材で殆ど空気。少ない素材で空間を構築しています。そして400個の段ボール箱はスタッフと学生の手によって丹念に積み上げられ、この空間自体が我々の「作る力」でもありました。