富士山周辺での地震が心配な中、箱根湯本の現場に久しぶりに行ってきました。既に空間がおおむね出来上がり残るは建具工事くらいです。この空間は日常のなんでもない素材をつかいながら兎に角手間ひまをかけて作り上げることをコンセプトとしています。近年手間ひまにかかる労力を省いて合理的にコストダウンする思考の強い中、失われつつある手間ひまをかけることでの何かしらのエネルギーが醸し出せたらと思ってのことです。今回は芹沢棟梁に手をかけてもらい500本以上の垂木を綿密に配列して頂きました。出来上がった杉の垂木空間は凛とした空気を醸し出し、日常の素材でありながらも気のある空間となっています。
菜の花研修所
コルビジェとイサムノグチ
メゾンエオブジュエの合間を見て早朝から蚤の市+コルビジェ+イサムノグチ。蚤の市ではいつもながらの計る道具を数点持ち帰り。その後は市内のラロッシュジャンヌレ邸へ。コルビジェ自身がアトリエとして使っていた事もあり、様々な目線から質の高いディテールの積み重ねで空間が出来上がっています。現在「色」の調べているようで過去の色を壁を削って調査中。すでに10回ほど塗り重ねられているようで、一番したのオリジナルの色も確認できました。その後はユネスコ本部のイサムノグチの庭園へ寄り道。ここへは3度目の訪問となりますが、若かりし頃のイサムノグチのエネルギーが満ちあふれています。ちなみに施設内の建築はコルビジェや安藤忠雄…..。
ジャン・プルーベと坂倉準三
メゾンもいよいよ最終日。ディオールからの受注やシャトーホテルからの大きな受注もいただき年々成果が増しています。最終日の搬出前にはジャン・プルーべの「人民の家」に寄り道。いわゆるプレハブつくりではあるのですが、精密なパーツの組み合わせで建築ができあがり細部まで練られたディテールの積み重ねが「質」を生んでいます。完成当時は二階にシアターなどもあったようですが、現在は地域の市場として現役で活躍しています。写真は坂倉準三設計の日本大使館のファサード。ここにも同時代のプルーベの匂いを感じます。
モンサンミッシェル
週末に休暇をいただきモンサンミッシェルへ。千年以上前から増築を重ねて島いっぱいが建物になった姿は「天空の城ラピュタ」そのもので、建物のあり方はまるで「つみきの家」でした。いくつもの文化や様式を積み重ねながらも建築という機能と性能への工夫は言葉が出ないくらい素晴らしい。夜は少し贅沢をしてモンサンミッシェルが目の前に見える対岸のホテルに。この地域はりんごの郷らしく、夜景を目の前にしてのディナーでは、ノルマンディー、シードル、カルバドスとこの地域特産のお酒でほろ酔い加減となりました。
Maison & Odject 2012 2日目
メゾンエオブジェは2日目を終え、具体的な成約も数件発生して成果も順調に出ています。高岡市からは市長も来仏されて夕方からはmercy視察、その後365プロジェクトのオープニングに同行。365の会場は古い鉄工所の空間でとても美しい展示でした。こちらも着実に成果が出始めているとの事でした。夕食は能作チームと小泉チームに市長も加わり高岡ものづくり談義で熱苦しいくらいの夜となりました。
maison & Odject 2012 設営終了
羽田からの深夜便でパリに早朝に到着。すぐに会場入りして能作さんの会場設営開始。今回の会場構成は昨年から使用している日本から運ぶ杉の通い箱を使用した什器と柔らかい「錫」をイメージした銀色の紐の構成で空間を作っています。いつもながらの能作さんらしい空間はなぜか日本的なにおいを醸し出しています。それから今回も日本からの出店が多く隣の会場構成は橋本潤さん。8号間では吉岡徳仁さんが展覧会を行っています。
Maison & Objet 2012 + 365日 Charming Everyday Things
いよいよ今日はゼミ生の卒業制作講評日。ここ数ヶ月の成果を見るのがとても楽しみです。さて明後日からはパリでの幾つかのイベントに関わります。 Maison & Objet 2012 では恒例の高岡の能作さんのブースのデザインと設営。今年は新作の製品開発には関わっていませんが「曲がる」ことをしっかりと伝えてこようと思っています。 Maison & Objet 2012内では京都Sferaのブースには公長斎小菅が出展。minotakeシリーズもしっかりと伝えてくれるそうです。パリ市内では、日本の暮らしに寄りそう日用品を紹介するプロジェクト「365日 Charming Everyday Things」も開催され、日めくりカレンダーに添って365点のチャーミングな日用品が選ばれています。この365点のなかに、土佐板、minotake、枝箸置き、仕口spice+、だるま落とし、SITAKUの6日分を選定していただきました。
■Maison & Objet 2012
2012. 01. 20(金)- 2012. 01. 24(火)
9:30 – 19:00
Par is Nord Vi l lepinte
■365日 Charming Everyday Things
2012. 01. 20(金)- 2012. 01. 25(火)
Bastill Design Center
74.Bd Richard Lenoir 75011 Paris
木曽五木
コラムの取材で中津川から付知入り。付知川を上流へ遡ると、どんどん雪と氷の世界に変わっていきます。付知川沿いは国有林で、来年竣工の伊勢神宮の式年遷宮の御用木にも使われている地域です。この山は険しく岩山で昔から山林での苦労が絶えない地域だったようす。そのための山師の工夫がとても面白いんです。詳しい内容は全日空機内誌「翼の王国」4月号でお伝えします。
箱根湯本
昨夜は年明け始めての都内での打ち合わせ。ガラスメーカーと販売元が集まり深夜迄のアイテム検討。ラフな試作のはずが素晴らしい出来栄えの試作となっていて皆で感動。三月のお披露目に向けてあと一踏ん張りです。今朝は朝一で箱根湯本の菜の花の現場打ち合わせ。空間のボリュームが見えてきて確かな手応えです。この現場は皆さん気が利いていて気持ちの良い環境です。良い仕事は良い環境からですね。そしてこれから中津川へ移動。恒例の翼の王国のコラムの取材で「木曽五木」の山を巡ってきます。
2012
あけましておめでとうございます。今年は5日が仕事始め。年始は事務所でじっくりと考える時間をとっています。既に初日からトップギヤーでスタッフが泡食ってます….。と言いつつも、来週からは箱根と中津川。再来週はメゾンエオブジェと365プロジェクトの仕事でパリへと向かいます。
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